スポーツ障害とは

スポーツに関連して起こるケガは、医学的な観点から大きく「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」の2種類に分類されます。
- スポーツ外傷: 転倒や衝突など、1回の大きな外力によって突発的に起こるケガです。(例:骨折、脱臼、捻挫、肉離れなど)
- スポーツ障害: 特定の部位に繰り返し負担がかかり続けること(オーバーユース:使いすぎ)で、組織が徐々に損傷し、慢性的な痛みなどの症状が現れる状態です。
スポーツ障害が発生する主な原因は、単なる過度な練習量(オーバーユース)だけではありません。不適切なフォーム、筋力や柔軟性の不足、さらに足に合わない靴や硬すぎるグラウンドといった環境要因が複雑に絡み合って引き起こされます。
痛みを我慢してプレーを続けると、疲労骨折や靭帯の完全断裂などに進行する恐れがあるため、違和感のある段階での早期ケアが極めて重要です。
部位別のスポーツ障害と原因・特徴
スポーツ障害は、実施する競技の特性(投げる、走る、跳ぶなど)によって、負担がかかりやすい部位が異なります。ここでは、全身の部位別に代表的なスポーツ障害を幅広く紹介します。
肩・腕・肘のスポーツ障害

- 野球肘: 投球動作の繰り返しにより、肘の軟骨や靭帯、骨が損傷する状態です。特に骨が未発達な成長期の子供に多く見られます。
- テニス肘(上腕骨外側上顆炎): ラケットでボールを打つ際の衝撃が手首から肘に伝わり、肘の外側に炎症が起きる症状です。バックハンドストロークで痛めやすいのが特徴です。
- 野球肩・水泳肩: 腕を大きく振りかぶる動作の反復で、肩の関節周辺(腱板や滑液包など)に炎症が起きる障害の総称です。
腰のスポーツ障害

- 腰椎分離症: サッカーをする成長期の人に多く、腰を強く反らしたり捻ったりする動作の繰り返しで、腰椎(腰の骨)の後方部分に亀裂が入る疲労骨折の一種です。成長期に発症しやすく、放置すると分離すべり症に移行するリスクがあります。
- 筋筋膜性腰痛: 背筋や腰の筋肉に過度な負担がかかり続けることで、筋肉が緊張状態になり痛みを生じる状態です。特定のスポーツに限らず広く見られます。
膝・すね周辺のスポーツ障害

- ランナー膝(腸脛靭帯炎): 長距離のランニングなどにより、太ももの外側にある長い靭帯(腸脛靭帯)が膝の骨と擦れて炎症を起こす症状です。
- ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎): ジャンプやダッシュの繰り返しにより、膝のお皿の下にある靭帯に微細な断裂が生じ痛みが出る障害です。バレーボールやバスケットボールなどで頻発します。
- オスグッド・シュラッター病: 成長期の急激な骨の成長に対し、筋肉の柔軟性が追いつかず、太ももの筋肉に引っぱられて膝の下(脛骨粗面)が隆起して痛む病気です。
- シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎): 走る・跳ぶといった動作の反復により、すねの骨(脛骨)の内側下方に慢性的な痛みが生じる状態です。陸上競技の初心者に多く見られます。
足首・足裏のスポーツ障害

- アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎: ふくらはぎの筋肉を酷使することで、かかと付近にあるアキレス腱やその周囲の組織に炎症が起きる症状です。踏み込み動作の多い剣道や陸上競技に多いです。
- 足底腱膜炎: 足の裏にある腱膜が、着地時の衝撃を吸収しきれずに炎症を起こす状態です。朝、起床して最初の一歩を踏み出す際に強い痛みを感じるのが典型的な特徴です。
- 有痛性外脛骨: 足の内側のアーチ(土踏まず)部分にある過剰骨(外脛骨)が、靴との摩擦や後脛骨筋に引っ張られることで炎症を起こす症状です。扁平足の人に起こりやすい傾向があります。





