足底腱膜炎とは

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは、足の指の付け根からかかとまで、足の裏にピンと張られている「足底腱膜」に炎症が起き、微小な断裂を繰り返すことで痛みが生じる疾患です。
2025年時点のスポーツ医学や整形外科の報告によると、足の外科外来を受診する患者の約10〜15%を占めるとも言われる、非常に発生頻度の高い足のトラブルです。

陸上競技やマラソンなどのアスリートだけでなく、長時間の立ち仕事をする方や、加齢・体重増加によって足底に負担がかかっている中高年の方にも広く見られます。
足の裏のアーチ(土踏まず)が持つサスペンション(クッション)機能が低下することで発症しやすく、悪化すると歩行困難になるケースもあるため注意が必要です。
足底腱膜炎の原因

足底腱膜炎の根本的な原因は、足の裏への過剰な負荷(オーバーユース)と、衝撃を吸収する機能の低下です。主な要因として以下の3点が挙げられます。
- スポーツや仕事での酷使:ランニングやジャンプ動作の繰り返し、硬いコンクリート床での長時間の立ち仕事が、足底腱膜を強く牽引し続けます。
- 足のアーチの崩れ:扁平足(土踏まずが潰れている)やハイアーチ(甲高)は、本来備わっている衝撃吸収力が弱く、足底腱膜に直接ストレスを与えます。
- ふくらはぎや足首の硬さ:アキレス腱やふくらはぎの筋肉が硬いと、足首の背屈(上に向ける動き)が制限され、その代償として足底への牽引力が増大します。
また、クッション性のない靴や、サイズの合わないシューズの使用も発症を早める要因となります。
症状の特徴
足底腱膜炎の症状には、痛みが出るタイミングや場所に非常に分かりやすい特有のサインがあります。最も典型的なのは「朝、布団から起きての最初の一歩目」に生じるかかと周辺の鋭い痛みです。
- 歩き始めの激痛:起床時や長時間座った後など、休ませていた足を再び接地した瞬間に強く痛みます。その後、少し歩き続けて足が温まると痛みが和らぐ傾向があります。
- かかと内側の圧痛:かかとの骨のやや前側(内側寄り)を指で強く押すと、ピンポイントで強い痛みを感じます。
- 運動後や夕方の痛み:運動の最中よりも、運動が終わって安静にした後や、足に疲労が溜まった夕方以降に痛みが強くなります。
初期は「歩いているうちに痛くなくなる」と放置されがちですが、慢性化するとかかとの骨に「骨棘(こつきょく)」と呼ばれるトゲ状の骨の変形が生じ、常に激痛を伴うようになるため早期のケアが重要です。





